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バトル・ロワイアル/高見広春

公開日: : 最終更新日:2013/06/28 SF・ホラー・ファンタジー , , , ,

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私が生まれて初めて読書で夜を明かしたのは、高校生時代に読んだ『バトル・ロワイアル』でした。

 

中学生同士が封鎖された島で殺し合いを行うという衝撃的な内容で、「日本ホラー小説大賞」では大賞候補になりながらも強い非難で落選。このミステリーがすごい!内の座談会で話題になるなど、発売されるや100万部以上の大ベストセラー、そして映画化、シリーズ化までされた名作ですね。

 

なぜ私がそんなにも夢中になって読んでいたかと言うと、やられた!と思ったからです。少し話はそれますが、実はちょうどその頃、私はひとつ小説のアイデアを思いついていたんですよ。特に小説家になりたいなどと思っていたわけではなく、読書する中でぽんと思いついたようなレベルですが。

 

とある日の暇な休憩時間に、楽しそうに遊ぶ友人や深刻そうな顔をする友人を眺めながら、(クラスのみんな、今何を考えて行動してるんだろう?)とぼんやりと考えていました。

その時に、あれ、もしかして今この瞬間にみんなが同時に考えていることを、それぞれ別の視点で書いてみたら面白いんじゃないか?って思いついたんです。たった10分の休憩時間の中で起きていることでも、クラス40人全員の視点で書かれていたら、絶対に面白い。一人の何気ない行動は、実は別のもう一人の行動に影響を与えているはずだって、そう考えたんです。

 

すると、まもなくPlayStationで『街 ~運命の交差点』というTVゲームが発売されました。このゲームはサウンドノベルなんですが、まさに私が考えていたことがそのままハイクオリティに実現されていました。設定や状況などはもちろん全然違いますが、テーマは同じ。「人は人に影響を与える」「同時刻に起きていることを別の視点で見せる」ことです。

当時の高校生の私は敗北感でいっぱいでした。自分のアイデアで先を越されたと。今となってはそんな漠然としたアイデアを思いついた所で、大した価値はないということはわかります。ですが当時はまだ無垢な高校生で、大きなショックを受けていました。

そしてほどなくして、その弱り切った私の心へたたみ掛けるように弾を打ち込んできたものこそが、バトル・ロワイアルでした。

 

クラス全員が同じ時間を共有し、生徒それぞれの視点で物語が進むという構成。ストーリーこそ自分が考えていたものと違えど、これぞまさに当時の私が実現したかったものです。そして実際に読んでみると、なんと面白いことか。99%の敗北感と1%の悔しさで、つい寝ることも忘れて一晩で読みきってしまいました。

次の日の授業が眠気のせいで何ひとつ頭に入ってこなかったのは、今でも忘れられない懐かしい思い出です。

 

※とはいえ今なら、使えるアイデアに昇華させられるかもしれません。今後のために、もう一度自分の中でよく練り込んでみたいと思います。もちろんそのまま使っただけではただの二番煎じですので、新しいアイデアと融合させることが必要ですね。

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