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Vol.15 人物描写で楽をしてはいけない

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何も考えないと、やってしまいがちなこと。ああそうか、と思わず唸ってしまったアドバイスです。

 

地の文で「この人はこういう人だ」と書けば、物語を先に進めやすくなりますが、それはただ作者が楽をしただけで、小説的には放棄に近い。(略)人物描写で楽をしてはいけません。ある人物を嫌な人間に見せたいのなら、その人が嫌な人間に見えるようなシーンを作るとか、人との会話を通して嫌な部分が浮き上がってくるようなシーンを工夫してください。(引用元:売れる作家の全技術/大沢在昌/角川書店)

 

これは、アマチュアの作品でよく見かける光景です。最初の数ページで、やたらと人物の説明をしてしまう人。どうしても、そこに素人くささを感じてしまいます。

 

「私は○○で、」などと直接的な説明をする人はさすがに少ないとはいえ、「お前は○○だもんなぁ」のように不自然に説明くさいセリフを相手に言わせている人は、まだたくさんいるように思います。

「○○」に相当する部分を、行動で、シーンで、読者に気づかせてあげるべきなんですよね。間接的に。その方が、ぐっと読者の心にひっかかるでしょうし、その人物に深みが出てくるはずなんです。それにはページ数も必要ですし、簡単ではないと思いますが。

 

人間は、楽をしたがる生きものです。だからこそ、便利なものが次々に発明されていくし、私たちの生活はますます豊かになっていきます。

小説を書くことは、楽しいことです。ですが、同時に苦しいことでもあります。苦しいところには、必ず楽をしたいという心理が働きます。人間ですから、これは仕方がありません。

ただし、そこで、楽をしたがっている自分に気がつくことができるのか。気がついて、自分の気持ちを断固とした意志で修正できるか。そこが、一流と二流のひとつの分かれ目だと思います。

 

人物描写で、楽をしてはいけない。またひとつ、心に刻むべき格言が増えました。

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