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Vol.13 「通行人A」が物語に厚みをもたせる

公開日: : 最終更新日:2013/05/24 大沢在昌さんに学ぶ , , ,

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軽い気持ちで登場させていいキャラクターなんか、いないんですね。

 

「通行人A 」や「客B」など、名前すらつかないキャラクターであっても、必ずその場面にいる理由があるわけです。(略)この理由は、必ずしも物語の中に出てくる必要はないのですが、作者にはちゃんとその理由がわかっていなければいけません。(引用元:売れる作家の全技術/大沢在昌/角川書店)

 

どんな物語にでも一人くらい、「通行人A」 みたいなちょい役って、ストーリー上、どうしても必要になってくるはずなんですよね。そしてたいていの場合は、とても短い、ささやかな役回りを与えられるだけだと思うんです。

でもこの時、ちょい役だからといって、作者までが適当に扱ってしまってはいけない。たかが通行人A でも、立派な一人の人間なんですね。その人がそこを通っていることにも、きちんとした理由があってのはずだ、というわけです。

そこまできちんと設定しておくことで、物語に厚みもでるし、全体の論理的な整合性もとりやすくなります。

 

しかし私はこの教えのポイントは、物語の中に出てくる必要はないけれど、という部分だと思っています。逆にいうと、「しっかり考えろ。でも物語には出すな。」とも読めます。

せっかく考えたアイデアや設定だからといって、物語の中で書きたくなってしまうのが人間の心理というものです。でも、あえて書かない。書かない部分は、その人物の行動や言動にさりげなく反映させる。間接的に。きっとその積み重ねが、物語の奥行き、深みになっているような気がします。

 

さらにこれは、リアリティにも大きく影響するのだろうと予想します。もし、ちょい役を適当に書いていたとすると、読んでいる人にはその適当さがバレてしまうと思うんですね。なんか変だな、ちょっとおかしいぞ、って。

そうすると、本筋とは関係のないところで読者に気を使わせてしまって、どんなに面白いストーリーであっても、台無しになってしまう危険性がある。素人さんの小説を見させていただいても、この違和感を感じることが、多々あります。すごくもったいないですし、こういうことがあっては、新人賞は絶対にとれないと思います。

 

大沢さんが何度も繰り返していますが、手を抜かないこと。簡単な言葉ですが、やはり、これにつきるのだと改めて思いました。

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