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Vol.12 新人賞には悪人が必要

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簡単そうに見えて、でも実は難しいというアドバイスが出てきました。

 

いい人だけ、善人だけが出てくる小説というのは、読み終えた後はちょっといい気分になるかもしれないけれど、結局はぬるい話になってしまう恐れがある。(略)登場人物が善人ばかりの小説は、新人賞の応募作としては弱いと思ってください。この弱点は克服するのがけっこう難しくて、書いても書いても「またいい人ばかりだった」ということになりかねない。(引用元:売れる作家の全技術/大沢在昌/角川書店)

 

これも、私がハマりそうな失敗を、うまく救ってくれたような一言ですね。

自分で言うのもなんですが、私は根がいい人だと思っています。悪い人は、当然ですが好きではない。そうするときっと、自分の書く小説に出てくるキャラクターも、無意識にいい人にさせてしまう。自分の中では悪い人を書いたつもりでも、悪い人になりきれないような気がするんです。

それでは、読者には伝わらない。記憶に残るキャラクターにはなり得ないということですね。物語に感動やドラマを持たせるためには、必要な役割というわけです。

 

とはいえ、私は善人ばかりが出てくるような、例えば奥田英朗の『マドンナ』や『ガール』のような作品も大好きで、そういう小説を書いてみたいと思ったこともあります。人を幸せな気持ちにできるのも、小説の大切な役割だと思っていますから。

それはそれで、小説のあり方としては間違っていないんでしょう。けれど、ここで大切なのは、”新人賞の応募作としては“という部分だと思います。

 

私は、ベテランの作家ではない。あくまで、新人賞を狙うアマチュアです。このことは、よく自覚していなくてはいけません。理想を語るのも大切ですが、それはまだ先のこと。まずは目先の1つの大きな目標、新人賞をとることに全力を尽くします。大沢さんのアドバイスをきちんと受け止めたいと思います。

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