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Vol.10 キャラクターがストーリーを作る。

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ただの”読者”であった私にとって、とても衝撃的な記述がありました。

 

ストーリーを支えるのはキャラクターです。大きな物語を支えるためには、キャラクターがしっかりしていなければならない。(略)キャラクターが決まり、ストーリーの核となるちょっとしたアイデアさえあれば、あとは勝手に物語が動いていってくれる。(引用元:売れる作家の全技術/大沢在昌/角川書店)

 

これを読むまでは、小説はストーリーだと思っていました。小説が完成するまでの過程として、まずはストーリーがあり、そこに出てくる登場人物はある意味で後から勝手についてくるものだと。キャラクターは、軽視するとは言わないまでも、ストーリーを考えることの方がはるかに重要だと思っていたんです。

私が今まで漠然と、小説のネタになりそうなアイデアや思いつきなんかをメモしていても、それらはすべてストーリーとしての材料ばかりでした。キャラクターに関するものは、一度もメモしたことがありません。どうやらこれは、大きな間違いだったようです。

 

大沢さんは、この本の中で何度も何度も、キャラクターの重要性を繰り返し主張しています。面白い小説には、例外なく魅力的なキャラクラーが存在すると。キャラクターはしっかり作りこむべきだと。これは、真摯に受け止めなければいけません。考え方を変える必要がありそうです。

このことを知ることができただけでも、この本を読んだ価値がありました。これを知らずに書き始めていたらと思うと、ぞっとしますね。

 

言われてみると、思い当たるふしはたくさんあります。

漫画の話にはなってしまいますが、こち亀なんかはまさにその通りですね。両さんがいて、そこに一つのテーマを与えてあげるだけで、物語が勝手に動き出す。読者にはその行動パターンが読めてしまうのですが、それも含めて楽しませてくれる。ブギーポップだって、古畑任三郎だって、ルフィだって、シリーズものとして続いている人気作品は、例外なくこのキャラクターの魅力が備わっているんです。例外なく。

 

魅力的なキャラクターを作りこむこと。しっかり、頭の中に刻んでおこうと思います。

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